身近な実力派白カビチーズ ブリア・サヴァラン・アフィネ

フランス人歴史家兼美食家の名前が付けられた白カビチーズBrillat Savarin(ブリア・サヴァラン)。その白カビ版はスーパークリーミーで人気。

 
 白カビチーズと言えば定番はカマンベール。しかしながら知名度はカマンベールには劣るものの充実した内容を誇る白カビチーズも少なくありません。今回は、その中でもフランスの人気白カビチーズ、Brillat-Savarin Affiné(ブリア・サヴァラン・アフィネ)をテイスティング。
 このチーズの名称になっている「ブリア・サヴァラン」とは、フランスの美食家ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァランを指しています。つまり、歴史上の人物の名前が(勝手に?)商品名に付けられている訳です。ブリア・サヴァランには、熟成をさせていないフレッシュタイプのものと、今回取り上げた白カビ熟成のものの2タイプがあります。どちらも、フランスのI.G.P.(地理的表示保護)と呼ばれる認定を受けているチーズとして有名ですが、製造の工程でクリームを多量に添加しており、乳脂肪分は72%以上(トリプルクリームと称される)となります。それゆえ、その口当たりは極めてクリーミー。まるでバターのような滑らかさが最大の特徴です。
 また、表面は白カビ、酵母のジオトリカムに覆われており、深雪の表面のようなフワフワしたルックスは、中身のトロっとした感じとは対照的で見た目も魅力的な逸品です。

🌟購入データ

🌟ブリア・サヴァラン・アフィネの基本スペック

生産国🇫🇷フランス
地域ブルゴーニュ地域
タイプ(CPAのグループ分けによる)白カビ
乳種🐮牛(低温殺菌乳)
熟成期間4週間
MS/ES(固形分中に於ける脂肪分量)最低72%
ブリア・サヴァラン・アフィネの基本スペック

🌟テイスティングシート

外観外皮毛足の長い白カビ(+ジオトリカム)に全体的に覆われている。ところどころ白カビが禿げたところは黄土色の表皮が見えている。
中身艶やかな生地で濃いクリーム色。
テクスチャー触感表皮はやや硬くしっかりとしている。内部は極めて柔らかくクリーム状で、少し流れるような状態。
食感外側はしっかりとした歯応え。内部はバターのように口溶けが良い。外と内部の全く異なるコントラストが楽しい。
風味香り極めて刺激が少なく、優しいミルクの香り。
外皮はクセがなく食べやすい。内部はコク、旨み、塩味のバランスが高度にマッチしている。
ブリア・サヴァラン・アフィネのテイスティング

🌟お酒とのマッチングの検討

 ブリア・サヴァラン・アフィネの一番の特徴はトリプルクリームらしい滑らかな口当たりとクリームの濃厚なコク。食感的にはスパークリングワイン、ビール、ハイボールなど炭酸系のお酒は相性が良いと思われます。
 香りと味としてはクセもなく大変食べ易い白カビチーズなので、あまり個性の強くないものが合いそうです。白ワイン、日本酒は広いレンジでマッチ。赤ワインなら比較的軽めが良いと思います。また、すっきりしたリキュールとの相性は良さそうです。

🌟マッチングスコア

赤ワイン(フル)赤ワイン(ライト)
白ワイン(辛め)白ワイン(甘め)
日本酒(淡麗)日本酒(芳醇)
ビール(エールが好ましい)ウィスキー(ハイボール)
バーボン(ソーダ割り)ラム(ソーダ割り)
テキーラ(ロック or ソーダ割り)ジン(ロック or ソーダ割り)
ウォッカ(ソーダ割り)芋焼酎
麦焼酎その他
ブリア・サヴァラン・アフィネのマッチング結果

🌟テイスティング寸評

 方向性の検討とあまり大きなズレはなかったと思います。意外だったのはテキーラとの相性が大変よろしゅうございました。もっともこの日のテキーラはクエルボ1800アネホという大変上等でハイクオリティなタイプだったので格別だったかもしれません。ただ、クリームの濃厚な味とテキーラのスッキリした味の方向性は基本的な相性が良いと感じました。
 ビールならエールビールのちょっと良いものがおすすめ。ウィスキーやバーボンはソーダ割が口当たりとしてちょうど良いと感じました。 

🌟ブリア・サヴァラン・アフィネ 推奨の食べ方

 一般的に白カビチーズはカットしてそのまま食べるか、薄めのクラッカーや薄めにカットしたバゲットなどに乗せて食べるのがお勧めですが、ブリア・サヴァラン・アフィネも御多分に漏れずそのスタンダードな食べ方がお勧めですです。タイミングとしては食後にお酒のつまみとするのが一番相応しいと思います。

🌟ブリア・サヴァラン・アフィネ plus!

アルバム『SONGS』ジャケット Amaxonより

 トリプルクリームゆえの超なめらかな口当たりとコクが特徴のブリア・サヴァラン・アフィネ。ほぼ風味にはクセはなく食べる人を選ばないテイスト。さらに毛足の長い表皮で見た目も美しく、多くの人に受け入れられやすそうな白カビチーズと言えます。
 比較的ライトな感じで食べる事が出来、広い範囲でのお酒にも合わせやすいこのチーズはちょっとした少人数のホームパーティのようなシーンで良い仕事をしそう。楽しげで明るい環境がフィットしそうなこのチーズには軽めのポップスな感じがフィットしそうです。
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 オリジナルは1975年リリースのシュガーベイヴ『ダウンタウン』。オリジナル音源はAmazonで入手可能な「SONGS 30th Anniversary Edition」に収録されています。
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