チーズプロフェッショナルへの道 その1
チーズプロフェッショナルになるために必要な勉強の全体像を把握する。
日本におけるチーズ資格の最高峰チーズプロフェッショナルを取得するためには、NPO法人チーズプロフェッショナル協会が出版するチーズプロフェッショナルのための教科書『チーズの教本』をマスターする事が大前提です。
今年(2024年)の2次試験でリベンジを果たし晴れてチープロになる事を誓う私、ふぉるまじ男は、まずはこの教科書を徹底的に復習するために、最初から最後までつぶさにこの本を読み込みながら自分の理解を深めて知識を定着させるために、ノート代わりにこのブログに内容をまとめて行こうと思います。
🌟チーズに関する情報てんこ盛りの『チーズの教本』
この『チーズの教本』は極めて内容が濃く構成されており、全部で250ページ以上あるのですが、全くと言って良いほど無駄なページがありません。従い、真面目に試験勉強に取り組むと、試験前までにはこの本全体がマーカーだらけ、手書きの書き込みだらけとなるわけですが、結果的に極めて内容の濃いオリジナルテキストが出来上がることになります。
チーズは古い歴史のある乳製品であると同時に、世界で生産されている範囲も広い食品です。従い、チーズの知識の基本は、歴史、乳の基本的な情報、凝固のメカニズム、各種チーズの製造工程、基本となる世界各国の具体的なチーズ銘柄から接客の方法や管理の仕方など、極めて広範囲な内容になります。
今回の書き込みでは、この教本の全体像を俯瞰で眺め、試験までにどのような内容をどのようなボリューム感として認識し、対処して行ったら良いかを自分なりに把握したいと思います。
🌟序章 チーズの歴史
チーズの勉強はまず歴史から始まります。この章のボリュームは7ページ。あまりボリュームはありませんが、チーズの発祥からどのように世界で近代的なチーズの生産と取り扱われ方をして来たかを学びます。
🌟第1章 チーズを識る
全34ページで構成されているこの章では、「チーズとは何か?」と言う一般基礎知識を習得します。すなわち、
- 原料となる乳に関する事項
- 成分構成
- 製造の概要とチーズの分類
- ナチュラルチーズの一般製造工程
- タイプ別の製造工程及び変化の状況
- プロセスチーズの製造方法
- 様々なチーズの形態
と言ったところが主な内容で盛りだくさんです。特に、乳に関する情報とタイプ別の製造方法については奥が深く、また理系的な情報の理解と知識の定着が求められます。菌や乳成分に関する部分はほぼ高校の化学の教科書のような内容で、文系の人にとっては結構とっつきにくいパートと言えると思います。
ただ、プロセスチーズを含む各種製造方法については、完璧に理解していなければチーズの「プロフェッショナル」とは謳えないと思われる非常に重要なポイントで、チーズプロフェッショナル試験の一つの大きなコアとなる部分のため、深い理解と記憶が必要です。
🌟第2章 チーズを巡る
この章は全部で127ページが割かれており、この『チーズの教本』全体の中心と言えるパートです。基本的には世界の主たるチーズが国別で写真と基本スペックにより紹介されており、それが127ページの90%以上を占めていますが、その他、地理的名称保護の制度の説明などが冒頭に方に配置されています。
国別のチーズ紹介は「各国のチーズ」と言うタイトル以降、フランスから始まり最後は日本で終わるという構成ですが、圧倒的にフランスのパートのボリュームが大きく40ページが割かれています。次に多いのがイタリアですが20ページほど。日本のナチュラルチーズはフランス産のものに主眼が置かれている事の現れかもしれません。
🌟第3章 チーズを広める
この章は、広く世にチーズを啓蒙していく役目を担うチーズの専門家に求められる知識や態度と言ったものを履修するパートです。全部で45ページで、主な内容は、
- チーズ販売一般に関する事項
- 販売員に要求される事項
- 国内における表示のルール
- ヨーロッパのラベル表示
- チーズの提供に関する事項(仕入れから管理、サーブまで)
- チーズの栄養成分に関する事項
2章までとは異なり、現実的かつ実践的なノウハウや知識が広い範囲で登場します。正直に言ってしまえば、単にチーズが大好きなので最高資格としてのチーズプロフェッショナル資格も取ってしまいたいと言うモチベーションの方には不必要な内容のように感じます。言い換えれば、チーズに職業として絡みのある人にとっては最も重要なパートと言えるかもしれません。
🌟第4章 チーズを愉しむ
このパートはチーズのテイスティングの方法が解説されています。全15ページ。テイスティングシートの基本フォームから、テイスティングの方法、用語集などが掲載されています。さらに各国の代表的なチーズ料理や、いろいろな飲み物とのマッチングについても5ページ程度のボリュームで解説があります。そもそもの本サイトのコンセプトに近い部分のため、私にとっては個人的に最重要パートと言えそうです。
🌟付録
教本の最後はこの付録で15ページほどのボリュームですが、言わばおまけのような位置付けの割には比較的重要な情報が収められています。具体的には、生産量等、世界のチーズに関する基礎データや「チーズ公正競争規約及び同施行規則」原文が掲載されており、試験対策にはそのまま暗記が必要な情報も多く掲載されています。