チーズプロフェッシャナルへの道 用語集        

 チーズプロフェッショナルになるために必要な用語を、各項目ごとに集めてみました。

 チーズプロフェッショナルになるためには、覚えるべき単語があります。それは発祥の歴史から製造上の化学的な内容、さらには各国の地域名に至るまでかなり広範囲に渡ります。学校の勉強で言えば、歴史、地理、化学、数学、各外国語といったところになるでしょうか。
 通常の生活ではほぼ馴染みのない言葉も多く、覚えにくいためこのページを用語集代わりに使えるようにしていきたいと思います。

🌟チーズの歴史関する単語

 ◉乳利用の始まり

  ・B.C.9000年ー8500年@メソポタミアで農耕
  ・B.C.7000年@中央アナトリア(現トルコ)で家畜
  ・山羊→羊→牛
  ・牛は親子関係が親密

 ◉チーズの誕生

  ・最も原始的なチーズ=酸凝固
  ・授乳期幼獣からレンネット凝固を発見
  ・B.C.350年アリストテレス『動物発生論』レンネット使用
  ・B.C.100年ウァロ『農事論』レンネット使用
  ・A.C.1世紀コルメラ『農事論』アザミ、ベニハナ、イチジクからレンネット
  ・B.C.1000年代遺跡「ミルク沸かし」陶器@イタリア

 ◉チーズの語源

  ・カード(curd)の語源=アジアのクルット(kurut)携行用チーズ
  ・ラテン語 型枠(forma)、イタリア語(formaggio)、フランス語(fromage)
  ・ラテン語 チーズ(casus)、ドイツ顔(kase)、英語(cheese)、オランダ語(kaas)、スペイン語(keso)、ポルトガル語(queijo)、イタリア語(cacio)
  ・中国/日本「乾酪」

◉チーズ文化の伝播

  ・地中海ルート
  ・イタリア半島のエトルリア人
  ・アルプス山脈北部のケルト人&ゲルマン人
  ・山のチーズ=硬質、大型で保存性高い
  ・東欧ルート
  ・寒い地域でのバター製造
  ・ブリテン島での古代チーズの記録
  ・アジアルート
  ・バラモン教でレンネット不使用=酸凝固のみ
  ・ダヒの凝乳パニール
  ・ブータンのダッツィ インドのチェルピー 中東のクルット
  ・中央アジアルート
  ・モンゴル、カザフスタン、遊牧民、日本の「蘇」

◉原産地保護の歴史

  ・15世紀 フランス国王シャルル6世 ロックフォール・シュール・スールゾン村
  ・1905「商品販売の不正行為と食品と農産物の偽造の取締りによる法律」
  ・1919「原産地の名称の保護に関する法律」
  ・1925 ロックフォールA.O.獲得
  ・1935 原産地名称統制法(A.O.C.)成立
  ・1952 ストレーザ協定
  ・1992 EUの「原産地名称保護:P.D.O」制定

🌟チーズ製造に関する単語

◉ナチュラルチーズの製造工程

  1. 殺菌等の前処理
  2. スターター添加
  3. レンネット添加 → 凝乳
  4. カッティング → ホエイ+カード
  5. 攪拌・加温
  6. ホエイ分離 → ホエイ
  7. 成形・加塩 → グリーンチーズ
  8. 熟成

◉乳製品の種類

 ・生乳 搾りたての乳
 ・牛乳 生乳を加熱殺菌したもの
 ・成分調整牛乳 生乳から脂肪分、固形分、水分など成分の一部を除去したもの。Including 無脂肪乳、低脂肪乳
 ・加工乳 生乳にバターや脱脂分乳等、たの乳製品を加えて調整したもの
 ・ヨーグルト 生乳に乳酸菌を加えて凝固させたもの
 ・クリーム 生乳を静置あるいは遠心分離で分離させた脂肪分の多い物質
 ・バター クリームを撹拌して脂肪粒を集めて固めたもので、脂肪分は80%以上
 ・脱脂粉乳 遠心分離等で抽出された脱脂乳を乾燥させたもの

◉乳酸菌の働き

  定義:乳糖を資化して、主に乳酸を生成する微生物の一群の総称

  1. カルシウムイオンを増加させて凝固を促進
  2. カルシウム架橋を切断して弾力性を低下
  3. 微生物の増殖抑制
  4. タンパク質や脂肪を分解してチーズに風味を添加

◉乳の殺菌方法

・CODEX規格:63℃で30分間加熱殺菌するか、またはこれと同等以上の殺菌効果を有する方法
 ・低温加熱処理(サーミゼーション):63-65℃で15秒加熱し速やかに4℃に冷却貯乳→3日程度貯蔵可能(殺菌には相当せず)
 ・低温保持殺菌(LTLT):63-65℃で30分
 ・高温短時間殺菌(HTST):72-75℃で15秒
 ・超高温殺菌(UHT):120-130℃で2-3秒→日本の市販牛乳、レンネット凝固チーズには用いられず

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