ウォッシュチーズの王様 エポワス

ウォッシュチーズの王様として君臨する(Époisses)エポワス

基本的にクセのあるウォッシュチーズの中でも圧倒的な存在感を放つ王様 エポワス

 

 エポワス(Epoisses)は、フランスのブルゴーニュ地方の生産される、個性の強いソフトタイプのチーズです。極めて濃厚、クリーミーな食感と独特な強烈な香りが特徴。チーズのタイプとしてはウォッシュチーズで、外皮をマール・ド・ブルゴーニュというブランデーで洗いながら熟成をさせるという手のこんが製造方法が採用されています。

 エポワスは、熟成が進めば進むほど特有の香りと風味を発し、濃厚さとともにほんのりとした甘さやコク、さらに若干のスパイシーさも感じられるような複雑な味が特徴です。チーズ初心者にはその強い香りとクセが受け入れらにあ事があるようですが、通語のみには愛される一品。言わば玄人向けのチーズですが、一度ハマると虜になるほどの魔力を持ったチーズと言えます。
 エポワスは、チーズ好きはもちろん、ワイン通にもファンが多く、人気も高いウォッシュチーズです。それを象徴するように、チーズの専門家になるための試験用テキスト『チーズの教本 2023〜2025』の表紙にもなっています。

🌟購入データ

  • 購入日:2023年12月
  • 購入店:成城石井 目黒店 

🌟エポワスの基本スペック

生産国🇫🇷フランス
地域ブルゴーニュ地域
タイプ(CPAのグループ分けによる)ウォッシュ
乳種🐮牛
熟成期間最低4週間
MS/ES(固形分中に於ける脂肪分量)最低50%

🌟テイスティングシート

購入してすぐに行ったテイスティングのテイスティングシート(ハーフカットを後日テイスティング)。

外観外皮オレンジががかったピンク色。表面はややゴツゴツとしており、平行に線が入っている。
ところどころ白っぽく粉状のものが見える。
中身濃いクリーム色で、表皮付近は滑らかだが中心部はチョーク状で孔が見える。
テクスチャー触感表皮は硬く強付いている。表皮近くの中身は柔らかくネットリクリーミー。
芯の部分はやや硬く粘らない。
食感外側は滑らかな口当たりで口溶けが良い。芯の部分は若干パサついた感触。
風味香り刺激がやや強く、ウォッシュ特有の古漬けのような香り。
塩味は穏やかでコクがある。独特の奥深い味わいと強い旨みが際立っている。
エポワスのテイスティング前編


一回めのテイスティングから2週間後に再度ハーフカットをテイスティングしたテイスティングシート。

外観外皮茶色がかった濃いオレンジにところどころピンク色の部分。表面はややゴツゴツとしており、
平行に線が入っている。粉状の範囲が狭まった。
中身濃いクリーム色で、全体に艶やかなクリーム色。
テクスチャー触感表皮は硬く強付いている。中身はとろけるようなクリーム状。
食感外皮はやや硬く、中身は滑らかな口当たりで口溶けが良い。
風味香り鼻に抜ける強い刺激の発酵臭。ウォッシュ特有の古漬けのような香りが濃くなった。
バランスの良い塩味でコクが強い。独特の奥深い味わいと強い旨みが際立っている。
エポワスのテイスティング後編

🌟お酒とのマッチングの検討

 ウォッシュらしいクセの強さは、あまりあっさりしたお酒では完全に凌駕されてしまうでしょう。ただし、チョーク状の芯が残っている若い状態のものは十分に熟成したものより風味が穏やかで、あまりパンチの強くないお酒の方が合いやすいです。白ワインのしっかりした物か比較的軽めの赤ワインなどが合いやすいはず。またウィスキー、リキュール、個性弱めの焼酎あたりは相性が良いです。
 一方、熟成の進んだエポワスは個性、主張の強いものでないと合いにくい。逆に言えば、個性×個性で大きな相乗効果が期待出来ます。フルボディの赤ワインはもちろん、個性の強い麦焼酎、芳醇な日本酒、バーボンのロックなどとも相性が良いと感じます。

🌟マッチングスコア

熟成の浅いエポワスのお酒マッチングスコア。

赤ワイン(フル)赤ワイン(ライト)
白ワイン(辛め)白ワイン(甘め)
日本酒(淡麗)日本酒(芳醇)
ビールウィスキー(ソーダ割り等)
バーボン(ソーダ割り等)ラム(ソーダ割り等)
テキーラ(ソーダ割り等)ジン(ソーダ割り等)
ウォッカ(ソーダ割り等)芋焼酎
麦焼酎その他
熟成の浅いエポワスのスコア
まだ若いエボワス 内部にチョーク状の芯が残る

熟成の進んだエポワスの酒マッチングスコア。

赤ワイン(フル)赤ワイン(ライト)
白ワイン(辛め)白ワイン(甘め)
日本酒(淡麗)日本酒(芳醇)
ビールウィスキー(オンザロック)
バーボン(オンザロック)ラム(オンザロック)
テキーラ(ソーダ割り等)ジン(ソーダ割り等)
ウォッカ(ソーダ割り等)芋焼酎
麦焼酎その他(泡盛、黒糖焼酎)⚪︎
熟成の進んだエポワスのスコア
比較的熟成が進んだエボワス まだ完熟前で若干まだ芯が残る

🌟エポワスの推奨の食べ方

 エポワスのサイズは直径20cmの丸型で高さが3cmほど。従って、基本的には円形を等分する形で扇型にカットしてそのままフォーク等で食べるのが食べやすいし美味しく召し上がって頂けると思います。ただ、熟成が非常に進むと中身が流れ出すような状態になるため、そのような場合はカットしたのち、スプーンで掬って食べるのがお勧めです。

🌟エポワス Plus!

 いかにもフランスらしい濃厚なこのチーズ。やはりこのエポワスらしい雰囲気をさらに盛り上げるのは必然的にフランス語の音楽になります。1980年代に日本でも少し流行ったフレンチポップでありながらジャジーなViktor Lazlo(ヴィクター・ラズロ)。彼女の歌声、雰囲気、容姿も含めてとてもエポワスにフィットすると思います。
 1985年にリリースされた『CANOE ROSE』。そして、その中に収められた『Pleurer Des Rivières』。如何にもフランスらしいこの中間的で含みの多いサウンド。そしてエポワスと深めの赤ワインは濃厚なで充実した時間を創出します。

Viktor Lazro 1985年にリリースされたミニアルバム『CANOE ROSE』

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