チーズプロフェッショナルへの道 その21
『チーズの教本』第 2章 地域別チーズ② イタリアD.O.P.以外のチーズ
『チーズの教本』の国別チーズ紹介のイタリア編最後には「イタリアのI.G.P.チーズ」と「その他日本で人気のイタリアチーズ」という枠組みでいくつかのチーズの紹介があります。そのうち、I.G.P.チーズの方は3種のチーズの紹介がありますが、日本ではほとんど見かける事もなく、また知名度も極めて低いためにこちらでは取り上げません。
一方、日本で人気のチーズ紹介はスーパーでも見かけるレベルの有名なアイテムばかりなのでこちらを個別に紹介します。
🌟 日本で人気のイタリア・チーズ
『チーズの教本』で紹介されている「日本で人気のイタリア・チーズ」は、ナチュラルチーズでありがなら工場で作られているものばかりで生産量及び流通量も多いチーズたちです。
それぞれチーズ専門店はもちろん、スーパーでも取り扱われているものもありどれも現在は日本でもポピュラーなチーズと言えるでしょう。
🧀マスカルポーネ
ある時から日本でも定番のスウィーツとなったティラミスの原料。クリーム添加されており乳脂肪分(MG)は80-90%という数字に表れるように極めて滑らかな口当たり。ほんのり甘みが感じられる。
熱凝固させた乳にクエン酸等の酸を加え、水分を抜いて作られる。
- 原語表記:Mascarpone
- タイプ:フレッシュ
- 乳種:牛
- 熟成期間:なし
- 形状:クリーム状
- 固形分中乳脂肪量(MG):80-90%
🧀リコッタ
リコッタ(Ricotta)とはイタリア語で二度煮るという意味の単語。ホエイを煮詰めて作られるためにこの名前が付いている。少しホロっとする食感でさっぱりした味わい。
乳を凝固させ、熟成させるという工程を経ないため、チーズの定義に当てはまらず「リコッタはチーズではない」と言われる場合もある。
牛乳以外に、羊乳、山羊乳、水牛乳などのホエイを使ったリコッタも存在する。
- 原語表記:Ricotta
- タイプ:該当なし
- 乳種:各種
- 熟成期間:なし
- 形状:クリーム状
- 固形分中乳脂肪量(MG):30%程度
🧀モッツァレッラ
「チーズプロフェッショナルへの道 その20」でご紹介したD.O.P.チーズ、モッツァレッラ・ディ・ブッファラ・カンパーナ」は水牛乳製だが、水牛乳は生産量も少ないため牛乳製で同様の製造法で工場で作られたものが世界的に多く出回っている。日本でも、ピザ用などで使われているものの殆どがこれである。
- 原語表記:Mozzarella
- 乳種:牛
- タイプ:フレッシュ(パスタフィラータ)
- 熟成期間:なし
- 形状:さまざま大きさの球体
- 固形分中乳脂肪量(MG):約50%
🧀スカモルツァ
ハードタイプ(セミ・ハード)のパスタフィラータチーズ。モッツァレッラの水分を完全に抜き、短期的に熟成させて製造されるもので弾力がある。日本では燻製加工がされたアフミカータが比較的広く出回っている。小型で流通しているものが多く、瓢箪型が多いがさまざまな形のものが作れられている。
- 原語表記:Scamorza
- タイプ:ハード(パスタフィラータ)
- 乳種:牛
- 熟成期間:数日
- 形状:瓢箪型等さまざまな形状
- 固形分中乳脂肪量(MG):約35%
🧀ブッラータ
モッツァレッラで作った巾着の中にストラッチャテッラ(モッツァレッラを刻んだものにクリームを添加したもの)を充填したフレッシュチーズ。
ブッラータ(Burrata)はバターを意味するイタリア語で、その名の通りまったりとした濃厚な食感を楽しめる。
- 原語表記:Burrata
- タイプ:フレッシュ(パスタフィラータ)
- 乳種:牛
- 熟成期間:なし
- 形状:さまざまなサイズの球形
- 固形分中乳脂肪量(MG):約55%