ポン・レヴェック(Pont-l’Evêque) 穏やかで食べやすいウォッシュチーズ。
フランス・ノルマンディー地方の伝統的なウォッシュチーズ、ポン・レヴェック((Pont-l’Evêque)。マイルドでクリーミー。いろいろなワインに合わせやすい優しい味わいです。
ポン・レヴェックは、『チーズの教本 2023〜2025』の中で紹介されている個別ナチュラルチーズの筆頭を飾っています。これは『チーズの教本』の編集が国別ではフランスがトップ、さらにフランスの中で北部が最初に紹介されているという事が一番の理由と思いますが、同じ地域で作られていながらフランスチーズとしては超有名なカマンベール・ド・ノルマンディーを差し置いて最初に紹介されている辺り、強い印象が残ります。
ポン・レヴェックはウォッシュタイプのチーズ。フランスのウォッシュチーズと言えば強烈な個性を放つエポワスが有名で、そのイメージが強い向きもおられると思いますが、ポン・レヴェックはそれに比べて極めて穏やかな味わいです。
表皮は分厚くて硬く、中は常温にしばらく置いておくとトロリとクリーミーな生地になります。ウォッシュというよりは、どちらかというと白カビチーズに近い、極めて食べやすいウォッシュチーズと言えます。
🌟購入データ
- 購入日:2024年4月4日
- 購入店:成城石井 アトレ目黒2店
🌟ポン・レヴェックの基本スペック
生産国 | 🇫🇷フランス |
地域 | ノルマンディー地方 |
タイプ(CPAのグループ分けによる) | ウォッシュ |
乳種 | 🐮牛 |
熟成期間 | 最低21日 |
MS/ES(固形分中に於ける脂肪分量) | 最低45% |
🌟ポン・レヴェックのテイスティングシート
外観 | 外皮 | 褐色がかった厚い表皮の表面に白い粉(ジオトリカム)が覆っている。表面に簀子模様。 |
中身 | 目の詰まったキメの細かいクリーム色の生地。ところどころ孔が見える。 | |
テクスチャー | 触感 | 柔らかく弾力がある。粘りは無く、指で千切る事が出来る。 |
食感 | 外皮の歯応えと生地のクリーミーさが食感のコントラストを産んでいる。若干、歯に纏わりつく。 | |
風味 | 香り | 乳の香りと穏やかに香るウォッシュチーズ独特の菌発酵の香り。 |
味 | 塩味は穏やか。クセもなく |
🌟ポン・レヴェックのお酒とのマッチングの検討
ポン・レヴェックは、癖の強いフランスのウォッシュチーズというカテゴリーでありながら非常に穏やかで食べやすいチーズです。ウォッシュ独特のリネンス菌発酵の匂いも強くはなく、また塩味もまろやか。そして常温で暫く置くと中身の生地がトロリとして滑らかな口当たりになります。
合わせるお酒の方向性としては、あまりパンチが強くなく、かつあまりさっぱりし過ぎていない物が合いそうです。例えば赤ワインであればあまり重たく無いもの、白だとフルーティな物が合いそうです。
その辺りを中心にlet’s tryでチーズプラス!
🌟マッチングスコア
赤ワイン 重め | ⚪️ | 赤ワイン 軽め | ◎ |
白ワイン ドライ | ⚪️ | 白ワイン フルーティ | ◎ |
日本酒 淡麗 | ⚪️ | 日本酒 芳醇 | ◎ |
ビール | △ | ハイボール | △ |
オンザロック | ⚪️ | カクテル | ⚪️ |
チューハイ | △ | 焼酎(ロック・水割り・ ソーダ割り・お湯割り) | ⚪️ |
🌟ポン・レヴェック 最強のマリアージュ
マリアージュテイスティングの結果、中重口くらいの赤ワインが一番フィットした印象でした。また、芳醇タイプの日本酒とも相性は良い印象です。食べやすいとは言え、やはりウォッシュチーズですから、あまりキレの良いお酒との相性は良くは無いようですね。
今回の独断と偏見に満ちた最強のチーズプラス!は、赤ワインピノ・ノワールに決定です。
🌟ポン・レヴェック推奨の食べ方
ポン・レヴェックは生地が硬く、中身がトロリとした白カビ系に良くあるようなテクスチャーをしているので、指で摘めるサイズにカットすればそのまま手でピックアップしやすいので特に何かを施す必要はなくそのまま食べるのがこのチーズの本来の味を楽しめると思います。また、これを料理にするイメージが湧くようなテクスチャーと風味でもないため、なるべくそのままの味を味わうのがお勧めです。
強いて言うならば、フレンチウォッシュの中では比較的ポップで万人受けしそうなタイプなので、敢えてクラッカーに乗せてカジュアルに楽しむ、と言う方向性は良いかもしれません。
🌟ポン・レヴェックPlus!
基本的に癖が強めのものが多いウォッシュチーズ(しかも癖好きが多いフランス発)の中で食べやすいポン・レヴェック。
フランスチーズで伝統的でありながらポップ、とは言えクセあるウォッシュ。今回は、フレンチポップの大御所ミッシェル・ポレナレフさんにご登場いただく事にしましょう。曲は最も有名な『シェリーに口づけ/ミッシェル・ポレナレフ』です(ダイブ古いけど 笑)。
是非、このキャッチーなメロディーと軽やかなテンポの曲を背景に、ポン・レヴェックとライト目な赤ワインのマッチングを楽しんでくださいませ。